コラム

2025年12月8日

英語教育情報Vol 11

(このコラムでは、B D代表の石川が様々な視点での英語教育記事を情報として発信しています。)

Aera Kids 2025/10/25の記事より

 

留学はつらいことが9割

2025年10月5日に東京で開催された「国際教育フェア」。来場者数1800人超という大盛況のうちに幕を閉じました。同フェアのトークイベントに、留学支援サービス「MMBH留学」代表で、テレビのコメンテーターとしても活躍する岸谷蘭丸さんが登壇。「留学は辛いことが9割 〜親子で考える国際教育の必要性〜」と題し、自身の留学経験を交えて国際教育の真の価値について語りました。その内容を一部抜粋、編集してお届けします。

岸谷さんは冒頭、自身の留学経験を振り返り、「留学というものを振り返ると、9割は辛かったなという経験になります」と語った。これは特に高校留学に行った人がみな口を揃えて言うことだという。

「楽しいこと、皆さんが思う高校留学は、きっと『ハイスクールミュージカル』とかそういうイメージ。つまり、『プロムに行きます』『恋愛します』とか、海外でしか味わえないようなホームパーティーをみんなでやりますといった、楽しそうなものを想像するかなとは思うんですが、基本的には留学はつらいもんだと思っていただいて構いません」

そのつらさの原因は主に慣れない英語と生活環境、そして人間関係にあると岸谷さんは指摘する。特に英語が全く分からない状態で留学する場合、「ほぼほぼ毎日しんどい」という状況が続く。岸谷さん自身もTOEFL25点程度の英語力で留学したため、「相当つらかった」と振り返る。それでも岸谷さんは、自分の留学体験は「成功だったな」と断言。そして重要なのは、「つらい」と「成功」は両立するものであり、むしろ相関関係があるのではないかという指摘だ。

 

留学における「成功」とは?

では、留学や国際教育における「成功」とは何なのか。岸谷さんは一般的に考えられる「成功」を3つ挙げた。

1つ目は「楽しかった」「世界中に友達がいっぱいできた」「楽しい思い出ができた」という経験的な側面。2つ目は「英語ができる」「外国に行っても怖くない」「旅行に行っても何も困ることなく、海外旅行が楽しめる」という実用的なスキル。そして3つ目が「学歴」だ。
「日本に帰国後、早稲田や慶應、ICU、上智などのトップ大学や、日本にいたらなかなか目指せないんじゃないかと思っているような海外大学に行けた」――英語力を武器に進路が開けるということだ。

しかし岸谷さんは、英語力や学歴に象徴される「ハードスキル」はある程度は必要だと言いつつも、こうした一般的な「成功」よりも重要な「成功」があると語る。それは人間力、つまり「ソフトスキル」を培うことだという。

例として、自身の高校留学時代のルームメイト、ケビンとの共同生活のエピソードを披露してくれた。ケビンは2メートル以上ある大柄なアメフト選手。アメフト仲間が部屋に入りびたることもしょっちゅうで、勉強に集中できない環境だったそうだ(ヒップホップが爆音でかかり、床にはチキンウイングの食べ残しが散乱していたとか)。そのような状況で、岸谷さんは学ぶために来ている自分の権利を主張するために様々な戦略を考え、最終的には学校のセラピー室に相談して一人部屋を獲得したという。

岸谷さんは、このような「ぬるま湯ではない環境」での経験こそが国際教育の重要な価値だと強調し、逆境に立ち向かう力が社会に出てからも役立つと主張する。コンフォートゾーンを抜けるための精神的な強さ、自分の意見を持つこと、そして困難な状況でどう立ち向かうかという点が重要だというのだ。

 

真の英語力とは?

続いて岸谷さんは「これからの時代の国際教育」について語った。ここで最も強調されたのが、「英語に惑わされない」という視点だ。

「中途半端な英語なんて、いちばん駄目です」と岸谷さんは断言する。例えば英会話程度ができる、という状態では不十分だという。現代はAIによる翻訳技術が発達しており、単に「ちょっと英語ができる」程度では価値がないと力説する。岸谷さんが重視するのは「アカデミックな英語」だ。「真に価値のある英語力とは、論文が読める・書ける、論理的に説明できる能力なんです」と主張する。

そしてアカデミックな英語のために必要なことは「勉強を頑張る習慣」を身につけておくことだとも言う。「後から急に勉強を頑張ろうと思ってもちょっと間に合わない。中学生くらいまでに継続的に勉強を頑張ることが大事です。そういう意味で中学受験はすごくいい経験だと思います」

 

親は焦りすぎないでほしい

岸谷さんは、国際教育に関心のある多くの親が「早めに世界に飛び出して英語を学ぶ」ことを子どもに望む傾向に対し、慎重な姿勢を示した。単に「早く海外に」ではなく、子どもの成長段階や家庭の経済状況に応じた適切なタイミングと方法を選ぶことが大切だという。中学生段階で学びの基礎固めの重要性を訴え、ハードスキルだけでなく、先述のソフトスキルも含めて、この時期にどれだけ真剣に学びに取り組めるかが、その後の「成功」を左右すると語った。

さらに経済的観点からも、「国際教育に関しては若ければ若いほど特に金銭的なハードルが上がります。大学留学が選択肢も広く、金銭的・努力的なハードルも比較的低いんです」と説明し、正規留学の他に、ファウンデーションコースやコミュニティカレッジなど、様々な留学方法があることを紹介。過熱化する国際教育の早期化に一石を投じた。

約1時間にわたるトークイベントは、立ち見も出るほどの人気。国際教育の真の価値とは何か、親にとっては考えさせられる内容となった。人間力こそが、変化が激しく予測困難なAI時代を生きる子どもたちにとって“戦闘力”となるという岸谷さんの力強いメッセージは、会場の参加者たちに深い印象を残したようだ。

 

代表のコメント:留学するのであれば、ある程度の英語力を身につけて、自分の勉強してきた英語力がどれだけ通じるかを試せる短期的留学をして、自分の実力を感じ取っていく、ステップを踏むのがいいと思いました。国内だけでも十分に勉強していけるので、英語の負担を軽くして行くのがいいでしょう。

BD 代表 石川雅久

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